劇中で喜久雄(吉沢亮)と俊介(横浜流星)が“美しい化け物”と息を呑んだ女形の人間国宝、小野川万菊を演じるのが、田中(みん)(80)だ。

 芸能記者が語る。

「撮影が終わってからも、日本舞踊の振付指導を担当された谷口裕和さんに稽古をつけてもらうなど、ご自分も作品から大きな影響を受けたそうです」

 1945年、東京に生まれた田中は、「暗黒舞踏」の創始者として知られる土方巽を師と仰ぎ、20代の頃からダンサーとして活動してきた。全裸で性器にだけ包帯を巻くというスタイルで銀座の路上で踊り、逮捕されたこともある。

「万菊」の晩年のシーンは圧巻

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source : 週刊文春 2025年8月14日・21日号