「週刊文春」での新連載が始まった作家の綿矢りささんが初登場。気になるその中身や8月に出された著者史上最長の新刊について、そしてアガワの「きもの本」を読んだ綿矢さんから逆質問が飛び出して……と盛り沢山でお届けします。


(わたやりさ 1984年生まれ。京都府出身。2001年『インストール』で文藝賞を受賞。04年『蹴りたい背中』で芥川賞を受賞。12年に『かわいそうだね?』で大江健三郎賞、20年に『生のみ生のままで』で島清恋愛文学賞を受賞。近著に『激しく煌めく短い命』(文藝春秋)。)

 

阿川 この対談には初めてのご登場ですが、2011年に『サワコの朝』に出ていただいたんですよね。

綿矢 はい、お邪魔しました。

阿川 あのときの録画を見直したら、私が質問する度に綿矢さんがどんどん引いていってる感じがして(笑)。その節は失礼いたしました。

綿矢 あの時、「むっつりスケベなんですか?」って聞かれたのがすごい記憶に残っていて。で、私も「はい、むっつりスケベです」って言うたんです(笑)。あの頃はテレビにほとんど出たことがなかったので、もうガチガチになっちゃって。でも、色々聞いてくださって緊張を解きほぐしていただきました。

阿川 解きほぐしたのか、いじめたのかよく分からないけど(笑)。お会いした当時は、作家デビュー10年、スランプから抜け出た頃だったそうで。19歳の時に『蹴りたい背中』で芥川賞を受賞されたあと、スランプが長く続いたと伺いました。

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source : 週刊文春 2025年9月11日号