その別れはもはや伝説である。1998年5月7日午後、築地本願寺(東京都中央区)で執り行われたのは人気ロックグループ「X JAPAN」のギタリストで、ソロアーティストでもあるhideの告別式だった。5日前に33歳で急逝していた。

 参列者は約5万人で、その数は歌謡界の女王、美空ひばりの時よりも多かった。

 急死の翌日から出棺の日まで、ひつぎに寄り添うファンがいた。当時17歳の貴志真由子だった。難病の真由子をhideが励ましたのをきっかけに、交流が続いていた。真由子の母和子が言う。

「危篤になってもhideさんの声を聞くと、元気になったんです」

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source : 週刊文春 2025年10月2日号