「これは従来のAIとは正反対の思想に基づいて設計されたものなんです」

 情報工学科の科長は焦りを表情ににじませて力説した。文科省の査察官である私を納得させられるかどうかは予算額に直結する大問題であるだけに、言葉に熱がこもっている。私は日本のAI技術は海外に大きく立ち後れていると認識していたので、期待せず話半分に聞いていた。

「従来のAIは、いわばボトムアップ型です。成果物を大量に学習させて傾向を把握し、判定したり、模倣物を出力したりする。定義によるでしょうが、我々に言わせれば知能でもなんでもない。我々が開発しているのは本物の知能です」

「詳しくお願いします」と私は先を(うなが)した。

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source : 週刊文春 2025年10月23日号