「もういいよ、このオープニング映像! キャピキャピした感じ、違うんだから、内容と! もっと深いでしょ」

 狩野英孝は、『「魔法少女まどか☆マギカ 始まりの物語/永遠の物語」TV Edition』の折り返しとなる第6話のオープニングを見ながらそう言った。狩野は本作の副音声コメンタリーを担当している(TVerでは狩野本人の映像付きで配信されている)。『まどマギ』シリーズはまったくの初見で、最初にオファーが来たときは「いや、魔法少女って。40のおじさんが見るアニメじゃないでしょ」と一度は断ったらしいが、「大人も楽しめる」というスタッフからの説得に応じ引き受けた。この手の副音声は初回や最終回などに限られることが多いが、全話ついているのがいい。何しろ、予想外の展開が何度となく訪れるアニメだ。部分、部分だけでは魅力が伝わらない。結果、狩野は冒頭に引いた発言のとおり、可愛らしい絵柄とは裏腹のダークで深い世界観の虜になっている。

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source : 週刊文春 2025年12月4日号