今日は皆さまに二つご報告があります。ひとつは、この連載をまとめた単行本『上沼恵美子の人生笑談 白黒つけましょ』(文藝春秋刊)に重版がかかりました! それも2回も! 本が売れないと言われるこのご時世に、本当にありがたいことです。できることなら本を買ってくださった方、一人ひとりのお宅を訪ねて、どら焼きでも渡して御礼を言いたいくらいです。

 ビックリしたのは、本など絶対に買わないケチな姉が「一気に読んだよ。値打ちあるわ」と言ってくれたこと。「わざわざ買わんでも無料で送るのに……」と言いかけましたが、本気で悔しがるのでやめました。

 もうひとつのご報告というのは、実はこの連載、今回で最終回となります。ちょうど2年前のこの時期から始まったんです。今をときめく「週刊文春」で連載させていただく光栄と重圧の中、皆さまからの「奇問・難問」に頭がハゲるほど悶えながら、毎週、無我夢中で書き続けました。もっと早く終わるつもりが、気が付けば丸2年。生意気な言い方かもしれませんが、皆さまにご満足いただけるクオリティを保ったまま綺麗に終わるには、ここらへんが潮時かなと思います。

 この2年間の経験は、私にとって“人生の宝物”になりました。

Q

 小学生の子どもが2人いる38歳の主婦です。70歳になる母のことでご相談です。いつも元気で性格も明るく、友人も多い母ですが、最近、距離の取り方に困っています。
 

 私は共働きで、平日は仕事と家事で手いっぱい。正直、たまの週末くらいは母に子どもを見てほしいと思うのですが、母は「孫はかわいいけど、預かるのは疲れるのよ」と笑って断ります。その一方で「ランチいかない?」「歌舞伎にいこう」と頻繁に私を誘ってくるのです。断ると「あら、娘にフラれちゃった」と寂しそうに言われ、罪悪感が残ります。母にとっては、私は娘であると同時に親しい友人のような存在なのだと思います。でも私は、母との関係を大事にしつつも、自分や家族の時間も守りたいのです。母とは仲良くしたいですが、正直今は2人で出掛ける余裕はありません。母を傷つけずに、もう少しだけ距離を置くにはどうしたらいいでしょうか。

 

(38歳・女性 埼玉県)

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source : 週刊文春 2026年1月1日・8日号