中東の市場と聞くと、「バザール」という用語を思い出す人が多いことでしょう。ところが、アラブ諸国では、市場は「スーク」と呼びます。ドバイの「ゴールドスーク」などが有名です。スークと呼ばれる地域はアラブ圏。バザールと呼ばれるのはペルシャ圏なのです。

 というわけで、ペルシャ圏であるイランのテヘランには広大なバザールが存在します。バザールの商人たちは独特のネットワークを持っていて、イランの経済を動かしていると言われています。この商人たちを敵に回すと、政権基盤が揺らぐというのです。いまから20年ほど前、イランに取材に入り、地元の人にバザールを案内してもらいながら、そんな話を聞きました。

 この商人たちは元来保守的で表立って反政府行動に立ち上がることはないのですが、今回は、彼らが怒ってデモを呼びかけたことから、イランの暴動が始まりました。

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source : 週刊文春 2026年1月29日号