普段の笑顔からは想像できないほど覚悟に満ちた表情で恩師の両手を握り、坂本花織(25)は1800平米の氷の上へと滑り出した。「愛の讃歌」に合わせ、滑らかな弧形を描く。4分後、彼女は曲の終わりと同時に右手で目頭を押さえ、何かをこらえるように少しだけ微笑み、小さく頷いた。独りぼっちの氷の上から戻り、中野園子コーチに抱きしめられて初めて、彼女は声を上げて泣いた――。

2月20日に行われたフィギュアスケートの女子シングルフリー。その後、坂本は親しい友人にこんなメッセージを送っていた。
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source : 週刊文春 2026年3月5日号
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