“源田の1ミリ”が流れを引き込み、流れを変えた。
第6回ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)の連覇を狙う日本代表は、1次リーグ初戦の台湾戦に13対0で7回コールド発進。試合は2回に大谷翔平選手(ロサンゼルス・ドジャース)の満塁本塁打などで一挙10得点を挙げたが、その圧勝の流れを引き込んだのは一つの死球だった。
「当たった! 当たった!」
ベンチに向かって必死のアピールをしたのは、侍打線の8番を打つ源田壮亮内野手(西武)だ。
日本の2回の攻撃。先頭の村上宗隆内野手(シカゴ・ホワイトソックス)が四球を選び、牧秀悟内野手(DeNA)が左前に落として繋いだ無死一、二塁のチャンスだった。
この場面で打席に立ったのが源田だった。

送りバントもある場面。しかし送って二、三塁にしても次打者の若月健矢捕手(オリックス)が凡退すれば、1番の大谷は歩かされる。
「バント出るかなと思いながら(打席に)入ったんですけどなかったので、思い切り引っ張ってやろうと思いながら行きました」
ベンチが源田の野球センスに託す決断をした直後の1球だった。
マウンドの台湾先発・鄭浩均投手の初球が引っかかって左打席の源田のインコースを通過し、そのまま捕手のミットへと収まった。
球審のジャッジは「ボール」の判定。
「しっかり当たった感覚があった。アンパイアからは『本当に当たったのか』みたいな英語で言われたので……」
すぐさま日本語で「当たった!」と叫んでアピールをした源田は、ベンチに向かってリプレー検証を要求した。
東京ドームのビジョンに流れた映像に日本を応援するファンから大歓声が起こる。ボールが源田の太もも付近を、ほんのわずかにかすめる映像がはっきり映し出されていた。
判定が死球に変わって満塁。試合の流れが一気に日本へと引き込まれた結果が、1死後に飛び出した大谷の驚愕満塁弾だったのである。

日本が世界一を奪回した前回大会で、ファンの脳裏に深く刻み込まれたのが、メキシコ戦で試合の流れを変えた“源田の1ミリ”だった。
日本が3点を追う7回1死一塁。盗塁を試みた一塁走者が二塁に滑り込んだ際に、タッチを掻い潜ったように見えて一度はセーフの判定が下った。しかし走者の足がベースから離れた一瞬を見逃さず、源田がその足をかすめるようにタッチ。リプレー検証の結果、判定が覆って三振併殺でピンチを切り抜けた。
このワンプレーで試合の流れがガラッと変わり、直後に吉田正尚外野手(ボストン・レッドソックス)の同点3ランが飛び出して、日本はメキシコを破って決勝に進出していたのである。
これがファンの記憶に刻まれた元祖の“源田の1ミリ”だった。そして再びリプレー検証で判定を覆らせたこの2回の源田の打席に、ネットでは再び“源田の1ミリ”がトレンド入りする騒ぎとなったのである。
「国内組の野手で(井端)監督が最初に(代表選出を)決めたのは源田だったと思うよ」
こう語っていたのは金子誠ヘッドコーチだ。
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source : 週刊文春 電子版オリジナル
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