欧米の政財界の有力者を巻き込み、世界に衝撃を与えた性的スキャンダル「エプスタイン事件」。1月30日、この事件にまつわる資料、通称「エプスタイン・ファイル」の一部が新たに公開された。

 資産家のジェフリー・エプスタイン元被告(2019年に逮捕・起訴され、同年66歳で死亡)が、未成年の少女達に金銭を払い、性行為の相手をさせていたとして、児童買春で起訴されたこの事件。一体何があったのか? 公開された資料には何が書かれていたのか。「文春オンライン」で配信された在米ライター・堂本かおる氏の寄稿をお届けする。(初出:「文春オンライン」2026年2月27日配信。年齢、肩書、状況は当時のまま)

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 2026年1月30日、米国司法省は「エプスタイン・ファイル」の中から300万点以上の資料を公開した。ジェフリー・エプスタインと、エプスタインを取り巻く者たちが交わしたメールやテキストメッセージ、銀行や電信送金の記録などを含む文書300万ページ、画像18万枚、動画2000本が、司法省のウェブサイトに設けられた専用ページ「エプスタイン・ライブラリー」にアップされており、18歳以上であれば誰でも閲覧できる。

 これまでも少量のファイルが小出しに公開され、エプスタインと「顧客」たちによる、少女たちへの性的虐待が大きく取りざたされてきた。すでに成人女性となっている元少女たちは自らを「サバイバー(生き残った者)」と呼び、今も正義を求めて声を上げ続けている。しかし、今回のファイルが大量に公開されたことにより別の大きな問題が浮上し、アメリカのみならずヨーロッパをも震撼させている。

2025年12月18日、米下院監視委員会の民主党議員らが新たに公開した写真。エプスタインの隣には、顔が編集された女性の姿が ©AFP=時事

大きな影響力を持つ人物たちの名前が…

 エプスタインを取り巻く者たちが社会的に非常に大きな影響力を持つ者たちであり、かつ所属分野が多岐にわたり、多人数であることが理由だ。新たな関連者の名が浮上するたびに「まさか、あの人物まで!」と、誰もが驚く。

 大富豪とはいえ、政界にも企業にも正規には属さないアウトサイダーであったエプスタインは、そうした者たちを巧みに使い、アメリカを、世界を、密かに操っていたのではないだろうか。

 とはいえ、300万点という量の膨大さゆえ、内容の分析は徐々にしか進んでおらず、今後、誰が、そして何が出てくるか、まだ不明だ。しかも今回公開されたのはエプスタイン・ファイルのわずか半分であり、2025年12月にファイルの公開を定める「エプスタイン文書透明性法」に大統領のトランプが署名したにもかかわらず、まだ残り300万点が非公開のままとなっている。

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source : 週刊文春