村上世彰の前に、ついにフジはひれ伏した。村上は因縁の相手から巨額をかすめ取り、更なる窮地に追い込んだのだ。「20年目の復讐劇」を完遂させた村上は、しかし「次なる標的」も見つめていた。スクープ連載最終回。
あれから20年である。華やかなスポットライトを浴び、時代の寵児としてもてはやされていた村上世彰は、インサイダー取引の容疑で東京地検特捜部に逮捕された。無罪を訴え争ったが有罪が確定。逮捕直前、東証の記者クラブで「僕はもうこの世界に戻ってこない」と宣言したにもかかわらず、再び株取引に戻ってきた。
以来、誰もとがめだてする者はなく、向かうところ敵なし。彼の万能感は肥大していく。それはまるで六本木ヒルズ騒動の演出家だった20年前と同じだった。すべてゲーム感覚でやっているのだ。
かくして村上は2025年12月、フジ・メディア・ホールディングス(FMH)に対し、1株4000円で敵対的な株式公開買い付け(TOB)を実施し、33.3%まで買い占める、とFMHに通告してきた。すでに17.95%も買い占めており、あと15%余り買い足す、というのである。

ただし、FMHが、サンケイビルなど不動産事業をスピンオフするか完全売却に向けて動き、大幅な株主還元策を公表するのであれば、TOBは行わない、とも付け加えている。
村上特有のブラフだ。本音は後者にある。
だが、FMHの清水賢治社長は、そうとは受け止められなかった。社長就任以来、半年以上にわたる村上とのやり取りにすっかり疲れ果てていた。「もう村上に翻弄されるのはうんざり。嫌になっていたのだろう」。グループ幹部は清水の心中をそう思いやる。
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source : 週刊文春 2026年3月26日号
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