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菅ゴリ押し美人都議に経歴詐称疑惑 若手都議は“京都不倫”旅行

「週刊文春」編集部
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土屋都議
土屋都議

 東京都議選まで半年を切った今年2月、自民党公認候補を決める最終面接。白いスーツ姿の女性の一言に、選考委員たちは絶句した。

「私の後ろ盾は、菅総理です」――。

 都議選で菅義偉首相が“ゴリ押し”した美人候補がいた。世田谷選挙区(定数8)で、8位で初当選を果たした自民党の土屋美和都議(43)だ。「19年の神奈川県議選に出馬し、菅氏と関係を深めた。都議選候補の選考面接では『総理とメル友です』とも豪語していた」(自民党関係者)。

 
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 選挙期間中は菅事務所の秘書や菅首相に近い横浜市議、神奈川県議が選対の中心となり、「まるで菅事務所」(選対関係者)。選対にいた菅首相の元秘書・遊佐大輔横浜市議が語る。

「自分は街頭に何回か行きました。土屋さんと深く話し込んだわけではないですが、なんだか経歴を見ると華やかな方ですよね」

 確かに経歴は煌びやかだ。

〈ニューヨーク大学経営大学院修了〉

「スターン・スクール」の通称で知られるニューヨーク大学経営大学院は世界屈指の名門ビジネススクールだ。土屋氏は今回、都庁記者クラブの調査票に09年に同大院を修了したと記載。当選後も新聞各紙でそう書かれた。だが不可解な動きがあった。

「告示前のチラシにはそう書いてあるのに、選挙公報では聖心女子大卒。自身のホームページにも選挙前は明記していたのに、現在は削除されている」(前出・自民党関係者)

選挙前の土屋氏のHP(左)と現在のHP(右)

 ご自慢の修士号をなぜ隠すのか。小誌が同大院に学歴照会を依頼すると、驚くべき回答が返ってきた。

〈ご照会の名前と生年月日の人物は、ニューヨーク大学経営大学院で学位をとったり、授業を受けていたりした記録はない。ニューヨーク大学の別の学部の、卒業単位に含まれない授業を07年に受講していました〉

「場合によっては当選無効も」

 経歴詐称疑惑はこれだけではない。選挙公報には〈㈱時事通信社の金融専門放送アナウンサー〉とある。ところが、時事通信人事部はこう語るのだ。

――金融専門放送アナウンサーというとテレビ東京の経済番組「ワールドビジネスサテライト」みたいな?

「全然違います。アナウンサーではなく、証券会社向けの音声放送の読み上げの仕事です。派遣社員としてきていた」

 イメージは館内放送の読み上げ役だというからこちらはやや“盛り過ぎ”か。土屋氏の疑惑はまだある。

「今度、娘の自民党の都議公募があるんだけど、条件が世田谷区内在住で……」

 昨年秋、杉並区で土屋氏と同居する母親が世田谷区の知人宅に電話をかけた。

「お願いだから、住民票を置かせてくれませんか」

 涙ながらに頼む土屋氏の母に気圧され、知人は申し出を受け入れた。土屋氏は11月に住民票を世田谷区内に移し、都議選でも選挙管理委員会に「現住所」として届け出た。だが、地元関係者が語る。

「その後も土屋さんが知人宅に転居することはありませんでした。選挙期間中も近隣住民がその姿を見ることはなかった」

 土屋氏の現住所であるマンションの一室の登記を確認すると、所有者は別人夫婦。間取りは2LDK。大人3人で住むには、いささか手狭である。所有者を訪ねたが、「個人情報」を理由に取材に応じなかった。

菅首相が「私も応援しています」と選挙公報に

 東京都の選管に一連の疑惑について聞いた。

「公選法235条は当選のために虚偽の経歴を公にした場合の罰則を規定しています。過去には選挙公報に虚偽事項を書いて当選無効となった事例がある。公報以外に自身のホームページやビラも対象になる可能性があります。また虚偽の住所を届け出た場合、公選法238条2の立候補に関する虚偽宣誓罪に該当する恐れがあり、場合によっては当選無効もありえます」

 当の土屋氏は、世田谷区の“自宅”にいないようなので、杉並区の実家を訪ねた。すると、ちょうど中から本人が出てきた。

――こちらに住んでいる?

「住んでない。選挙の片付けがあり、実家に戻っているだけ。自民党の都議公募のため、去年の11月から世田谷に住んでいる。遠い親戚宅に居候しています」

――近隣住民は、選挙期間中も土屋さんを見てない。

「いや、えーっと、それは何でかって……マンションなので。選挙中は夜遅いので事務所で寝泊まりした」

――ニューヨーク大経営大学院の学位はとってない?

「とっています。(記録がないのは?)そりゃそうですよ、留学生枠でやってないので。証明書あります」

――時事通信のアナウンサーでもなかったのでは?

「文書でお願いします」

 改めて質問書を送ると、「(経歴は全て)事実です。世田谷が生活の拠点」と言うのだが、重ねてお願いした肝心の「学歴証明書」は見せてもらえなかった。

 そんな土屋氏と同じ世田谷から4位で三度目の当選を果たした自民党若手都議にも、見過ごせない疑惑が。小松大祐(だいすけ)都議(43)だ。

小松都議

「国士舘大学体育学部、リクルート出身の体育会系です。2児の父で、子育て政策に力を入れています」(都政担当記者)

 ホームページにも娘のエピソードを載せる“イクメン議員”だが、別の顔があった。知人が語る。

「都議になる前の08年頃、A子さんという彼女がいて、08年5月18日から20日にはA子さんと京都に行ったと聞きました。当時彼はリクルートを辞めて、起業した頃でしたね」

 A子さんのもとを訪ねると、当初は「過去のことなので……」と言葉を濁したが、具体的な質問を重ねると次第に重い口を開いた。

「彼とは08年3月頃に共通の友人を交えた屋形船での飲み会で出会い、イタリア人のように熱烈に口説かれて交際しました。仕事終わりにディズニーシーへ行ったりもしましたね」

 週末には、小松氏がA子さんの家に泊まりに来た。

「京都旅行は彼が嵐山の有名旅館に泊まってみたいと言って行ったんです。祇園で舞妓体験をして2人で写真を撮ったり、ミシュランに載るような肉懐石のお店に行ったりしました」

 ただ、自宅には絶対に招かれず、いつも明け方になるとA子さん宅から始発で帰ったり、プロポーズする素振りもないのに避妊は一切しないなど、その言動に徐々に違和感を覚えるようになったという。同年6月に破局したが思わぬ“再会”が2019年に訪れる。都議会の紛糾を伝えるテレビニュースで、小松氏が都民ファーストの会の木下富美子都議(先日、免停中の事故が露見し同会から除名)と乱闘騒ぎをしている様子が映った。

「その後、知人から、『ホームページを見て!』と連絡を受けた。プロフィール欄を見て愕然としました。私と付き合っている時には既に結婚して、お子さんもいたんだって……。そんな人が都議として子育て政策を語るのはどうなのかと思いますね」

 小松氏に聞くと、京都旅行やA子さん宅へのお泊りを認めた上でこう語った。

――不倫していたのか。

「何が不倫か、基準があるんですか。記憶が明確でなく、男女関係はないともあるとも言えない」

――避妊をしなかった?

「エッチをした記憶が明確にあるわけではないので、当然、ゴムをしたかどうかの記憶はないですよね」

――既婚者なのを隠した?

「隠したつもりは全くない。共通の知人もいるので、明確に伝えてなくても、知っているだろうと。A子さんを騙したつもりはないが、彼女の認識が違ったとすれば申し訳ない」

 嘘はいつかバレるのだ。

source : 週刊文春 2021年7月22日号

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