時代劇に新風が吹き荒れている。長年積み重ねられ洗練されてきた伝統的な技術と様式美を、新たな挑戦によって変革する作品たち。

 

 国内のみならず世界に訴える時代劇を証言者の声とともに特集する。

 サスペンス、ホラー、アクションなど多彩なジャンルを送り出してきた黒沢清監督が『(こく)(ろう)(じょう)』(6月19日公開)で時代劇に初めて挑んだ。黒澤明監督の名作『蜘蛛巣城』(1957年)を思わせる様式美に、ミステリーと心理戦。これは“世界のシン・クロサワ”の真骨頂といえるだろう。

「時代劇を撮りたいとはあまり考えてきませんでしたが、『黒牢城』は原作が圧倒的に面白かった。戦国時代のヒエラルキーを踏み越えてちゃっかり生き延びた、荒木村重が主人公とは、と」

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source : 週刊文春 2026年5月7日・14日号