「人間は情報の8割を目から得ると言われています。目が悪くなって視覚からの情報が減ると、脳への刺激が減少して認知症のリスクが高くなります」
認知症外来専門医の内野勝行先生はそう警告する。
一方で、加齢による視力低下、さらには白内障などの目の病は避けては通れないもの。では、中高年やシニアが実践できる、目の健康維持法は何か。
Q 眼鏡は心の友、49歳、オジ記者です。オイラ、極度の近視で、年々、目の調子が悪くなっています。
A オジ記者のような40代の7割以上が近視だ。世界の認知症研究をリードする英国の医学誌「ランセット」の最新報告(2024年)で、第5回で取り上げた「高LDLコレステロール」とともに「未治療の視力低下」が、認知症のリスク因子として新たに加わり因子の総数は14となった。
Q 目を背けたくなる報告ですね。
A 米・ミシガン大学の研究チームが全米の高齢者(平均年齢77歳、約3000人)を対象に、視力と認知機能の関係を調査した。その結果、近くが見えにくい人(近見視力障害)では、約22%、5メートル以上の遠くが見えにくい人(遠見視力障害)では、約33%、明暗の違いがわかりにくい人では約26%が認知症を発症していた。視力に問題がない人と比べると明らかに高い数値だ。
Q でも、そのミシガン大の研究って高齢者の研究ですよね? 24年の「ランセット」の報告を見ても、「視力の低下は高齢期(65歳以上)の人に大きな影響を与える認知症のリスク」と書いてあるから、中高年はまだ大丈夫では……。
A バカヤロー! 記者なら資料は目を皿のようにして読みなさい。ランセットの報告には、「中年期(18歳〜65歳)のうちから、リスク因子に対処することが、その後の人生における認知症の発症を遅らせたり予防したりする上で最も有効」と記載されているゾ。
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source : 週刊文春 2026年5月28日号






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