日曜の朝、『日曜討論』見てたらなんともいえない暗い気持ちになった。
皇位継承問題について討論している。女系天皇、女性天皇でいいのか悪いのか、大学の名誉教授の肩書きのおじさんが押さえつけたような声音でやりあっている。
「私こそがこの長い皇室の歴史を踏まえた正しい道を申し上げる」という姿勢なのに、二人の意見が正面から食い違っているのはどうしたものか。女系天皇でいいのか、女系天皇はダメなのか。どっちだ。
なぜそんな話題をNHKの日曜討論で論じ合っているのかといえば「皇統を継ぐ男子が少ない」という問題に直面しているからだ。このままじゃ皇統が絶えてしまう、どうにかしないといけない、と。

この討論を見ながら私が思い出していたのは「トキの繁殖計画」だった。佐渡島のトキ。子供の頃、日本産のトキが数羽まで減って「このままじゃトキが絶滅する」という騒ぎになっていた。数少ないトキを『佐渡トキ保護センター』に収容してペアリングさせるも失敗、中国からトキを持ってきて繁殖させ、今ではトキも日本で何百羽まで盛り返したが(知らなかったよ)それは中国産トキの子孫で日本産は絶えた。
皇室に現在、皇位継承順位を持つ者=男子が3人しかいないからどうしよう、と真面目な顔で話し合っているその内実は『佐渡トキ保護センター』の繁殖方針についてモメてるようなものだ。トキはトリだからいいようなものだが、皇室の人は人間である。繁殖のためにこんな討論をしているというのがとてもグロテスクではないか。
ここに出てきて意見が対立している大学名誉教授氏お二人とも、この「ヒトをヒト扱いしない問題」については何の疑問も抱いていない模様であることに、さらにダメージを受けた。まあ、天皇というのは基本的人権もない、戸籍もないヒトであるのでこういう扱いもまた特例として認められるのだと言われればそれまで。保護センターの繁殖計画によりトキが増えたように、皇室典範を変えることによって皇位継承者も増えるということか。
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source : 週刊文春 2026年6月18日号






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