高齢者にとって、命取りになりかねないのが“暑さ”だ。せっかくワクチン接種を終えても、猛暑で倒れては元も子もない。総務省のデータでは、昨年6~9月の熱中症による救急搬送件数は、過去3番目に多い約6万5000件。その約60%を高齢者が占めた。熱中症の死亡例も、毎年8割前後が高齢者なのだ。
熱中症について啓発を行う「教えて!『かくれ脱水』委員会」の委員で、帝京大学医学部附属病院高度救命救急センター長の三宅康史医師が解説する。
「熱中症とは、気温と湿度の高い環境に長くいることで脱水が進み、体温の調節機能が働かなくなって起きる様々な症状のこと。大きく2つのパターンに分けられます。運動や労働の途中で急激に体調不良を起こすケース。もう一つは日常生活の中で徐々に体調が悪くなるケース。高齢者に多いのは、圧倒的に後者です」
炎暑に克つ秘訣を、3つの側面からみていこう。
「食」と「水分補給」のコツとは?
まずは「食」。夏バテしないためには三度の食事をしっかり摂ることが鉄則だ。
愛知学院大学心身科学部健康栄養学科の大澤俊彦特任教授が提案する。
「一汁三菜が基本の和食はバランスはよいが、塩分を摂り過ぎる欠点がある。味付けには、ワサビや胡麻などの香辛料をうまく使っていただきたい。暑さに負けない食事としてはカレーがお勧め。特にクミン、ターメリック、コリアンダーには免疫力向上の効果があります。具材には健康寿命を延ばす効果が期待できるブロッコリーなどのアブラナ科の野菜がよいでしょう」
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source : 週刊文春 2021年8月5日号