この号が発売される6月25日は、プロ野球関係者、そしてファンに改めて記憶に刻んでおいて欲しい出来事があった日である。
1959年のこの日、昭和天皇ご夫妻が後楽園球場で行われた巨人対阪神戦を観戦され、初めてプロ野球の天覧試合が行われた。そしてこの試合は巨人・長嶋茂雄終身名誉監督(当時三塁手)の劇的なサヨナラ本塁打、いわゆる天覧ホーマーで決着し、日本のプロ野球にとって大きな転換点となったからである。

あれから67年。だが、あの本塁打が持つ意味がプロ野球関係者の間でも、少しずつ風化し始めているように感じる。
昨年6月3日に長嶋さんが亡くなった際も、その歴史的意義を深く掘り下げた追悼原稿や関係者の証言は決して多くなかった。それもそのはずで、いまの監督や選手、球団関係者の多くは長嶋“監督”の世代で、現役時代を知らない。まして天覧試合を直接観た関係者となれば、ソフトバンク・王貞治球団会長(86)ら、ごくわずかしか残っていない。
もちろん筆者も天覧試合を直接、知る世代ではない。ただ、生前の長嶋さんにこの試合について取材したことがある。そのときに長嶋さんがどれほど、この試合を特別な誇りに思っているかを知ることとなった。
「野球の伝道師に」
監督時代の長嶋さんにも“10.8決戦”や、“ON対決”を制した2000年の日本シリーズなど特別な大舞台はいくつかあった。
「でもね、私の生涯ベストゲームといえば、やっぱり天覧試合ですね」
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source : 週刊文春 2026年7月2日号






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