BBCの番組はネット上では話題となっていたが、大手メディアの沈黙は続いていた。実名告白が欲しい。取材班はある情報をもとに、1人の元ジュニアに接触した。
2023年3月17日、週刊文春取材班の西山里緒は丸の内の日本外国特派員協会(FCCJ)にいた。
この日はBBCのドキュメンタリー番組「J-POPの捕食者」が日本をはじめ全世界で放送される前日で、ディレクターのメグミ・インマンとレポーターのモビーン・アザーによる記者会見が開かれた。番組はイギリス本国での放送後、英有力紙「ガーディアン」などで取り上げられ、ジャニーズファンが多い台湾や香港でも大きな話題を呼んでいた。
FCCJは外国人特派員のための記者クラブで、政治家からスポーツ選手や俳優、一般人に至るまで話題の渦中にいる人物を招いて会見を行うことで知られていた。なかでも有名なのは、1974年10月に当時首相の田中角栄を招いたときのことだ。田中の金脈問題は、会見の直前に発売された月刊『文藝春秋』に、立花隆による詳細な調査報道記事が掲載されていたものの、国内メディアはほとんど取り上げていなかった。だが、この会見を機に潮目はすっかり変わり、首相退陣へとつながった。
田中の金脈問題について、当時の日本の記者たちは「周知の話だ」という態度で相手にしていなかったが、海外メディアが追及する姿を見て、その重大性に気づき追いかけるようになった。私はジャニー喜多川の性加害問題に沈黙を続けている日本のメディアも、この会見を機に変わるかもしれないと考えた。
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source : 週刊文春 2026年7月30日号






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