「五輪は名前の通り、ワイルドな感じでいく」
柔道男子100キロ級の決勝で延長戦の末、一本勝ちを収めたウルフ・アロン(25)。試合後は豪快なガッツポーズとともに涙を溢れさせ、そのデリケートな素顔を垣間見せたのだった。
2000年シドニー五輪の井上康生以来、メダルから遠ざかっていた100キロ級。ウルフは「僕自身が取り戻してやろう」と挑んだ。持ち前のスタミナを生かした柔道から、延長戦は「ウルフタイム」と呼ばれている。
東京都葛飾区生まれで、駒澤大学で英語を教える米国人の父と日本人の母を持つ。だが、本人は英語が話せないという。スポーツライターの佐藤俊氏が語る。
「外国人からよく道も尋ねられるようで、『初対面の人に英語しゃべれるんじゃないかって思われてることがきついんです』と言っていました。見た目はいかにもですが、金メダリストの鈴木桂治を尊敬してやまないなど、心はサムライです」
柔道と出会ったのは6歳の頃。母方の祖父に「体が大きいんだから柔道をやってみろ」と言われ、講道館の春日柔道クラブに入る。
そこで1日練習したが、ウルフは何が面白いのか理解できなかった。しかし、先生に「面白かったか」と聞かれると、周囲の人に迷惑をかけてはと思い、「面白かった」と答えたという。
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source : 週刊文春 2021年8月12日・19日号