阪神タイガースが昔からやっている『サンテレビ チビッコ解説※キッズ解説』。
阪神ファンにとって「聖なる電波」とも言うべきサンテレビの「タイガース戦試合終了まで完全生中継」実況席に、夏休みは阪神ファンのキッズを呼んでくる。キッズだからちゃんとした解説を望まれてるわけはなく、虎党キッズが元気に応援するのを楽しく見守る、という一種のファンサービスみたいなもんだ。

知らん子供がはしゃいだり緊張したりしてるのは興味ないので聞き流してることがほとんどだったが、阪神巨人戦3連戦、2敗で迎えた3戦目に出てきたキッズ解説の子に目がクギ付けになった。山田凛さん。
「昔ながらのこまっしゃくれた子役みたいな子だ……」と一瞬ひるんだが、すぐに「これはちがうぞ!」とわかった。
最初、声聞いて男の子かと思った。でも小学校6年生の女の子。ヘッドセットマイクつけて応援タオル掲げてるとことか、もう元気があふれている。何より、声がよくて発声もいい。甲子園の虎ファンの雄叫び歓声の中で凛ちゃんの声は佐藤輝明のライナー性打球のように見事に通るのである! この「はっきりした発声の良さ」が子役(それも児童劇団系子役)っぽかった最大の原因で、元気があるのも「お芝居じゃないのか」とか思っちゃったが、そうではなかった。単に「阪神が大好き」なんだ。それで甲子園に来て応援するのがうれしくて楽しくてしょうがない。実況アナからたまに質問を受けた時もうれしそうにポンポン答える。こまっしゃくれとは真逆の、今どきこんなに健やかなファン活動を見たことはないと思わせた。それでまた凛ちゃんが「さとうせんしゅ、がんばれー!」って声援送ったらサトテルがホームラン打つし。凛ちゃんの「うわああーー!」という喜びの声は素晴らしかった。
そのホームランの1点で阪神は巨人に勝って3タテを免れ、ほんまによかった。
でもふと思った。これでボロ負けとか逆転ホームラン打たれるとかいう試合だったら凛ちゃんはどういうリアクションだったんだろう。きっと明るく「次はがんばれー!」って声援送ってくれて「負けてささくれた心を癒してくれる」と思うのだが、ここはひとつ踏み込んで、今こそ凛ちゃんと、岡田彰布元阪神監督による「ダブル解説」の実現を希望する。
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source : 週刊文春 2026年8月27日号






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