(旧知の撮影監督・ハマダをまじえて、タイでのロケの話が続く)
撮影後半は北部の田舎が多かった。風景がひと昔前の日本の田舎とそっくりだったね。
予定では、僕はもうとっくに日本に帰り、一人芝居『ダミアン神父』の稽古に入っているはずだった。
もうぎりぎりのリミットだった。しかたなく僕はロケをしながら「ダミアン」のせりふを覚えることにした。
ホテルで全せりふをテープに吹き込み、それを往復のロケバスの中で聴く。
テープにはメイドさんの声や隣室の水洗の音等々、雑音がいっぱい入っていた。
『ダミアン神父』はハワイの僻地モロカイ島の話なのだが、僕のテープの中にはタイの田舎の情景がいっぱい染み込んでいたんだね。うん、あれは面白かった。
ヤス 最初に外国に行ったのはどこですか?
最初はフィリピン。三船敏郎さんが監督した『五十万人の遺産』(1963年)という映画のロケで行った。あとで同じ場所に和田勉さんの『ハリマオ』(1989年)でも行って、その後がこの間話した三池監督の『天国から来た男たち』(2000年)。フィリピンには何度も行っている。
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source : 週刊文春 2026年9月3日号






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