「新証拠が掘り起こされた以上、警視庁はもう一度捜査しなくてはいけない。『事件性は認められない』とは言えないわけだから」

 

 そう語るのは警視庁捜査一課の佐藤誠元警部補。2018年に木原誠二元官房副長官の妻・Ⅹ子さんの聴取を担当した取調官だ。

 06年4月、Ⅹ子さんの夫だった安田種雄さん(享年28)が怪死した事件。18年に警察が再捜査した際、Ⅹ子さんを取り調べたのが佐藤氏だった。

木原氏の妻を聴取した佐藤氏

「週刊文春」は8月6日発売号で重要参考人Y氏の告白を掲載。彼は、種雄さんが亡くなった当日、X子さんから「種雄君を刺しちゃった」と告げられたと証言した。

28歳で亡くなった安田種雄さん

 8月19日発売号では、警察も入手できなかった新証拠を公開。覚醒剤取締法違反容疑で逮捕されたY氏に対し、X子さんが送った80通超の手紙と、Y氏が綴った「獄中ノート」だ。彼はこう記していた。

〈何も殺すことはないだろうと思いたくなる様な動機で、種雄も殺されてしまった〉

 だが、警察はどこ吹く風だ。「週刊文春」報道後、ある捜査幹部は、対応に頭を悩ませる周囲に、こう語っていた。

「特に目新しい話はないし、解決済み。警察として気にする必要はない」

 別の捜査員も、こう“火消し”に走った。

「再捜査の時、事件当日のYの車の足取りも追いかけた。現場付近まで行ったことは確認できたが、その時間がYの供述とピタリと一致したわけではなかった。Yの記憶が全て正しいとも言い切れない」

 こうした警察の姿勢に、佐藤氏は憤りを隠さない。

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source : 週刊文春 2026年9月10日号