新米の季節がやってきた。金色に染まった田んぼの中にドジャーズをもじって「ドジョーズ」と文字入れした青いシャツを纏った人物がいれば、それは大谷選手でもナウシカでもなく、私だ。収穫量調査で汗だくだが、はたから見ればのどかな農村風景に違いない。米価が下落し、令和の米騒動も(米農家以外は)一息ついたかのようにも見える。
結局、令和の米騒動とは何だったのか。あの時、皆、自分以外の犯人を探そうとした。消費者の不安をあおったテレビは政府を責め、政府は流通業者の出し渋りを疑い、買いだめに走った消費者は農協を責めた。農家は異常高温とカメムシ被害を嘆いた。ただ、富山の実家の田んぼを継がずに道楽で穴を掘り続ける私を、私は責めなかったが。
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source : 週刊文春 2026年9月24日・10月1日号
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