安倍晋三や朝青龍から「籔ちゃん」と呼ばれた男はなぜ、検察に逮捕されてしまったのか。『バブル兄弟』で大宅賞を受賞した著者の巨弾ノンフィクションがスタート!
ゴルフ好きで知られた安倍晋三元首相は、第二次政権が発足した2012年以降、お盆休みや年末年始などで休暇に入ると、決まって気心の知れた友人らとゴルフを楽しんだ。
その主要メンバーの一人が、西日本最大級の医療グループを率いていた籔本雅巳(66)である。
籔本は、大阪市に拠点を置く医療法人「錦秀会」の元理事長で、大阪・北新地の夜の世界で、時には一晩で1000万円を使って豪遊するほどの富豪として知られていた。幅広い政界人脈の持ち主でもあったが、安倍との仲は特別で、新聞の首相動静欄にはゴルフや会食をした相手として計10回登場している。
安倍は2013年5月の連休に、山梨県鳴沢村にある自身の別荘に自民党総裁特別補佐だった萩生田光一や40年来の友人とされた加計学園理事長の加計孝太郎らを招待。バーベキューでもてなした翌朝に近くの「富士桜カントリー倶楽部」で夫人の昭恵も交えてコースを回っているが、この時も籔本は盟友の衆院議員、中山泰秀らとともに参加メンバーに名を連ねていた。
翌年7月の「海の日」には、安倍家が祖父、岸信介の代からメンバーとなっている神奈川県茅ヶ崎市の「スリーハンドレッドクラブ」に昭恵夫人の実弟で、森永製菓グループの森永商事社長・松崎勲や鉃鋼ビルディング専務の増岡聡一郎らとともに籔本も駆け付けた。
その際、クラブハウスで撮影された写真には、白シャツのボタンを外して胸元をのぞかせ、日焼けした顔に白いあご髭を蓄えたワイルドな印象の籔本が、貫禄を漂わせた姿で収まっていた。松崎がこの写真をSNSにアップしたことで、次第に籔本の存在は、得体の知れない“ナニワの政商”として独り歩きしていく。
極め付きは、安倍が政財界の大物らに声を掛けて首相公邸で催していた恒例のクリスマスパーティーの時だった。
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source : 週刊文春 2026年10月29日号
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