〈中村様、〇〇です。今回の急な会場変更は現場に多大な負担をかけています。
(略)医療スタッフは極一部ですが、ISY(註・横浜国際総合競技場)のその他のスタッフは不眠不休で頑張っていただいているので何事もなく無事に終了できると思います〉
これは8月6日夕方5時過ぎ、医療スタッフから、組織委員会の中村英正ゲームズ・デリバリー・オフィサー(GDO=53)に送られたメールだ。その後に記されていたのは――。
迷走を重ねた末に、8月8日に閉幕を迎えた東京五輪。大会運営全般を統括してきたのが、組織委GDOの肩書きを持つ中村氏だ。
「91年に東大法学部を卒業後、旧大蔵省に入省。首相秘書官の寺岡光博氏が同期です。フランスのOECD勤務など海外経験も豊富。エリートコースを歩んできましたが、14年、主税局企画官から組織委に出向しました。大蔵省の先輩、武藤敏郎事務総長(78)を支える優秀な人材として白羽の矢が立ったのです。末席の課長補佐だった時代、当時、ノーパンしゃぶしゃぶ事件の対応に追われていた武藤官房長に仕えた過去もあります」(財務官僚)
そんな中村氏が責任者として仕切っていたのが、開会式の運営だ。17年、映画監督の山崎貴氏や歌手の椎名林檎氏ら8人で発足した演出チーム。彼らを選出したのが、中村氏だった。
「官僚にしては軽い調子のタイプで、中村氏は『色んなとこで電通がでしゃばってきて困るよ』と漏らしていた。ただ、活動分野もバラバラの演出チームを統括できていなかったのが実情です」(組織委関係者)
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source : 週刊文春 2021年8月26日号