厚労省だけでなく、東京都にも……。
小誌は6月3日号で、厚労省が公募した医療用ガウンを巡り、国内縫製品に限るとの条件に反し、中国縫製品が納入された疑惑を報道。問題の製品を納入したのは防災用品専門会社「船山」で、同社が製品の手配を委託したのはアパレル会社「ニューズ・トレーディング(NT社)」だった。
その船山は、東京都からも医療用ニトリル手袋を昨年12月から今年1月にかけ、計2億8000万円で受注していた。今回もNT社に手配を委託。ニトリル手袋は通常のポリビニール手袋より価格は倍近いが、「密着率が高く、細かい作業がしやすいため、針刺防止、感染防御をしやすい」(薬師寺慈恵病院の薬師寺泰匡院長)などのメリットがある。
ところが――。医療メーカー代表のZ氏が証言する。
「弊社も同じ時期、NT社とニトリル手袋を5000万円分契約し、一部が納入されました。確かに、スイスに本社を置く認証機関のSGS社が発行した証明書には『ニトリル36%、ポリビニール28%』と記されていた。しかし、パッケージには『ビニール手袋』と書かれていました。変だと思ってNT社の社長に聞くと、『この製品は都にも納めているから大丈夫』と言われたのです」
Z氏が受け取った手袋は本当にニトリル手袋だったのか。小誌がSGS社に確認したところ、Z氏が受け取った証明書には「全く価値がない」。それどころか「ニトリル36%」も嘘で、実際の成分は「ポリビニール55%、ニトリル3.5%」だというのだ。
「船山が都に納入したのも、ニトリル手袋ではなく、『ポリビニール55%』の手袋だったのではないでしょうか」(同前)
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source : 週刊文春 2021年9月16日号