自民党の総裁選挙に向けて、党内の各派閥が動き出しています。誰が総裁選挙に立候補するのか、どの派閥が誰を推すのか、連日各メディアは大々的に取り上げています。
この報道で野党の影は薄くなり、自民党の大宣伝の様相を呈しています。これが自民党の手なのですね。過去にも自民党の評判が地に落ちると、総裁を交替させることで、総裁選挙のニュース一色を演出。まるで政権交代が起きたようなイメージが広がって、自民党は延命してきました。
今回も、新しい総裁が選ばれ、その人が総理大臣になって衆議院選挙に臨めば、人心一新のムードが広がり、自民党が勝利できるだろうという思惑があるのです。
つい先日まで菅義偉総理では選挙を戦えないと悲鳴を上げていた若手議員たちは、「誰が党の顔になれば自分にとって有利か」を考えるのに必死です。
本来は、「どの候補が自分の考えと最も近いか」と考えて総裁候補の支持を決めるべきものですが、やはり自分の選挙は大事ですね。
誰が党の顔になるか。これは、1994年に衆議院に導入された小選挙区比例代表並立制によって重視されるようになりました。
それまでの選挙制度は、中選挙区制。ひとつの選挙区で3人ないし5人が当選する仕組みでしたから、自民党からは複数の候補者が立候補し、互いに競っていました。党の顔が誰であろうと、選挙区で支持者を広げれば勝ち。政党同士の戦いになっていませんでした。
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source : 週刊文春 2021年9月23日号