混戦のセ・リーグペナントレースは、ここにきてヤクルトと阪神のマッチレースの様相となってきた。
ヤクルトが前年最下位から優勝となれば、プロ野球2リーグ分立後では六度目の快挙。しかも直近の2015年の優勝がヤクルトで、そのときの影の立役者も、実は高津臣吾監督(52)だったと言われている。
「15年は山田哲人内野手がトリプルスリーを達成するなどした打撃のチーム。問題は投手陣でしたが、その投手陣をまとめたのが当時の投手コーチだった高津監督だったんです」
こう語るのはヤクルトに詳しいある放送関係者だ。
「高津監督が何をやったかというと、クローザーのトニー・バーネットと中継ぎのローガン・オンドルセク、オーランド・ロマンの助っ人投手のところに行って『お前ら稼ぎたいか? 稼ぎたいならオレのいう通りにしろ』と話して、球団に連投すればするほどインセンティブが高くなる契約を結び直してもらったんです。3人は喜んで毎日のように投げていました。もともと点は取れますから、その3人に秋吉亮投手を加えたリリーフ陣での先行逃げ切りパターンを確立。それが優勝の最大の要因でした」
高津監督は広島工から亜大を経てヤクルトに入団。高校、大学では常に2番手投手で、プロでも目が出たのはリリーフ転向後だった。
「現役時代はメジャーリーグも経験しましたが、韓国、台湾プロ野球を経て最後は独立リーグの新潟で兼任監督なども経験。その経験値が契約の大切さやチームを掌握する力を磨いてきたと思います」(同前)
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source : 週刊文春 2021年10月7日号