小誌10月21日発売号で報じた、ノーベル賞学者の梶田隆章氏(東大宇宙線研教授)が率いるKAGRA計画の破綻。累計190億円の税金が投じられてきたものの、研究目的である重力波の検出が事実上、不可能な状態に陥っているのだ。実態と乖離した数値を掲げてきた“誇大論文”の存在についても報じた。
「発売前夜、梶田氏は『批判的な記事が出るが、重力波検出に向けた最後の産みの苦しみの時期』などと記した一斉メールを送りました。ただ、問題は“誇大論文”だけではない。地下200メートルの空間での作業にもかかわらず、危ない事故も繰り返されてきたのです」(KAGRA研究者)
例えば、KAGRAが建設途中だった18年3月には、真空漏れ事故が発生。約3キロにわたって、直径約80センチの真空ダクトが続く2本のアームトンネル(Xアーム、Yアーム)。そのXアームの真空ダクト内に漏れが見つかったのだ。
その直後、KAGRAの施設長で、梶田氏に次ぐナンバー2の大橋正健氏(東大宇宙線研教授)は〈【重要】X-armの真空 リーク事故について〉というタイトルのメールを一斉送信している。そこには、以下のように記されていた。
〈ヒヤリハットではなく、それ以上に重大な事故と考えます。また、これが報告されずにきたことは大問題です。(略)ご注意ください。真空の破断は大事故につながりますし、さらに光学素子の汚染につながります〉
別の研究者が言う。
「真空ダクトに大きな穴が開くと、3キロ分の空気が吸い込まれる。酸欠状態に陥り、最悪の場合、死者が出る恐れもあります」
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source : 週刊文春 2021年11月11日号