皇位継承問題について、男系による皇統の護持を主張する国士舘大学特任教授・百地章氏(75)は、今回の騒動をどう見たのか。
眞子さんが結婚相手に小室さんを選んだことは、良き教訓になりました。というのも、「女性宮家がいかにリスクを伴う制度なのか」、その難しさが明らかになったからです。
女性宮家とは女性皇族が結婚後、宮家を創設して皇室にとどまる制度のことです。これまで私は、女性宮家は制度として問題があると指摘してきました。
女性宮家については、2012年、野田内閣の時に初めて有識者会議で検討されました。私も当時ヒアリングに参加していたのですが、そこでは女性宮家を認める場合、「配偶者及び子は皇族にならない案」と、「配偶者及び子も皇族になる案」の2つの案が提示されました。
しかし前者は、かたや皇族、かたや民間人と、夫婦で戸籍や姓が別々になる。“究極の夫婦別姓”であり、果たして“家族”と言えるのか、はなはだ疑問です。
また後者の場合、配偶者のパーソナリティ次第で、リスクが生じかねません。例えば、眞子さんが女性宮家の当主となり、その夫である小室圭さんが皇族として、宮中行事に参加する未来もあり得たのです。
その後、女性宮家を巡る議論は一旦白紙に戻り、現在行われている有識者会議では、皇族数確保のために新たな2つの課題が議論されています。一つは女性皇族が結婚後も、皇族の身分のまま残られる案。もう一つは、皇統に属する男系男子が養子縁組で皇籍を取得する案です。
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source : 週刊文春 2021年12月2日号