『皇室日記』(日テレ系)の司会を務め、30年以上に亘り皇室ジャーナリストとして活動してきた久能靖氏(85)。会見について宮内庁の責任も指摘されているが、久能氏の見方は違う。

 お二人の会見が国民の心を逆なでする結果となったことに、「宮内庁がしっかり監督していれば……」と、“宮内庁の責任”を問う声を耳にします。しかし、これは筋違いです。宮内庁はあくまで「皇室をお支えするための組織」であり、何かを指示できる立場にはないのです。

 皇室の定例会見等においても、この姿勢は同様です。例えば上皇后美智子さまは毎年、お誕生日の会見に臨む際、1年を振り返り、ご自身で何があったかを細かく調べ、推敲に推敲を重ねて原稿を作られる。そこに宮内庁が「これを盛り込んでください」と、筆を加える事は決してありません。

 他の皇族方にも、事前に内容を聞き、「ここまではおっしゃらないほうがいいのでは」と多少アドバイスをすることはあります。しかし話す内容はあくまで皇族方に委ねられているのです。

 もちろん皇族の行動を無条件に受け入れてきた訳ではありません。1982年、三笠宮寬仁親王が、「皇籍を離脱したい」と発言されたことがありました。社会福祉活動に専念したいというお考えだったようですが、皇位継承権者からの皇籍離脱の申し出は前例がなく、宮内庁が何度も説得し、離脱はしませんでした。

 ただあくまでこれは“皇籍離脱”という極めて異例な出来事だったためです。

 今回の会見も、宮内庁が事前に話す内容を共有されていたとは思えません。眞子さんが小室さんの留学や金銭問題への対応について「自分がお願いしたこと」と明かした通り、これまでも宮内庁へ前もって相談はなさらなかったように思えます。また、共有されても口出しはできない以上、宮内庁の人間も、もどかしい思いで見ているしかなかったのではないでしょうか。

初回登録は初月300円で
この続きが読めます。

有料会員になると、
全ての記事が読み放題
コメント機能も使えます

週刊文春電子版に超おトクな3年プラン59,400円が登場!月額プラン36ヵ月分と比べて19,800円、年額プラン3年分と比べて6,600円おトク!期間限定12月2日(月)まで!

キャンペーン終了まで

  • 月額プラン

    1カ月更新

    2,200円/月

    初回登録は初月300円

  • 年額プラン

    22,000円一括払い・1年更新

    1,833円/月

  • 3年プラン

    59,400円一括払い、3年更新

    1,650円/月

    オススメ!期間限定

※オンライン書店「Fujisan.co.jp」限定で「電子版+雑誌プラン」がございます。ご希望の方はこちらからお申し込みください。

有料会員になると…

世の中を揺るがすスクープが雑誌発売日の1日前に読める!

  • スクープ記事をいち早く読める
  • 電子版オリジナル記事が読める
  • 解説番組が視聴できる
  • 会員限定ニュースレターが読める
有料会員についてもっと詳しく見る
  • 0

  • 0

  • 0

source : 週刊文春 2021年12月2日号