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NHK「ガッテン!」終了の裏にアノ人の“特命”

「週刊文春」編集部
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「『ガッテン!』が年度末で終了することが決まりました。視聴率も良かっただけに、局内でも疑問の声が上がっています」(NHK幹部)

司会の立川志の輔
相棒の小野アナ(番組HPより)

『ガッテン!』は立川志の輔と小野文惠アナウンサーが司会を務め、食や健康など身の回りのお役立ち情報を伝える番組。前身の『ためしてガッテン』から数えると、足掛け27年続く長寿番組で、5月12日放送のニラの魅力を伝える回では、視聴率13・7%を記録するなど人気も健在だ。

二人の息はピッタリ(番組HPより)

 そんな番組がなぜ?

「前田晃伸会長が次々と打ち出している、NHK改革の一環だと見られています」(前出・幹部)

 元みずほフィナンシャルグループ会長の前田氏は会長に就任後、改革に積極的に取り組んできた。

「特に力を入れているのが人事。年功序列を打ち破るため、自薦・他薦問わず局長候補を募ったり、今年5月には50代の現役幹部8人を子会社に出向させ、物議を醸した」(NHK関係者)

 11月5日には会長自ら全局員にメールを送り、

〈人事異動の最終判断は、NHKグループ全体を俯瞰した視点で、私が適材適所の人事を行います〉

 と、人事は自分が統括すると宣言したのだ。

“銀行流”を貫く前田会長

 改革の手はもちろん番組にも及んだ。

「『会長特命プロジェクト』と呼ばれるチームを立ち上げ、会長が改革したい分野の検討をさせている。その一つに番組編成についてのプロジェクトがある。本来、番組改編は編成局中心に、1年ほど時間をかけて検討しますが、特命は別。会長の意向を汲んで番組の検討を行なう」(同前)

 影響を受けたのは『ガッテン!』だけではない。夕方の『ニュース シブ5時』も今年度末での終了が決定。『クローズアップ現代+』も時間帯を変えて、リニューアル予定だ。

 報道局の改革も進む。

「政治部や経済部などの呼称が廃止され『ユニット』、『グループ』と呼ばれるようになります。グループ長・ユニット長は人事権を持たず、部長の人事権を削ぐことが狙い。また東京だけではなく、全国に『NHKは変わった』と示すため、夕方ニュースのローカル枠も拡大する」(NHK局員)

 改革の背景には会長の“思惑”も見え隠れする。

「再来年の1月には会長再任の時期を迎えるので、それまでに実績を作っておきたい。今回の番組改編も、それを睨んでのことと見られている」(同前)

放送は1000回以上(公式ツイッターより)

 12月6日、散歩に出かける前田会長を直撃した。

――『ガッテン!』、『シブ5時』が終わる?

「そうなの? いつ?」

――今年度末と聞いている。

「全体的に来年4月から大幅に変わるから。これから決まるんじゃないかな」

――特命プロジェクトチームを組んでいると聞いた。

「テーマごとに分けないと改革できない。いま三つ走っている」

――打ち切りを指示した?

「個別についてはない」

――『ガッテン!』は私の親も好きで見ている。

「僕もずっと見ているよ。面白いよね。長持ちしているのは理由がある。でもそれだけでいいのかってね。マンネリ化しちゃう。常に新しいのは出さないと」

 最後にNHK改革全体について聞くと、

「固定観念に捉われないでいろいろ試してみたら、と。それこそ、『ためしてガッテン』だよ」

 と語り、去っていった会長。改革は“打ち切り”とならないといいのだが。

改革に揺れるNHK

source : 週刊文春 2021年12月16日号

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