年末合併号の校了を終えました。2021年に発売された「週刊文春」は49冊。振り返れば、今年もいろいろありました。2021年「週刊文春」7大ニュースをあげてみたいと思います。
第7位 連載「嫌われた監督」がベストセラーに
鈴木忠平さんの連載「嫌われた監督」が10月に刊行されましたが、現在12万3000部、電子版でも1万5000ダウンロードを超えるベストセラーになっています。「週刊文春」では、最近、雑誌の連載担当者がそのまま本を作るやり方を始めましたが、いきなりスマッシュヒットを出してくれました。「本の雑誌」が選ぶ「今年一番面白い本」のナンバー1にも選ばれるなど、高い評価を受けています。読み出すと止まりません。お読みでない方は、年末年始の読書にぜひ!
第6位 中吊り休止
8月末で中吊りの掲出を休止しました。このニュースには取材が殺到し、我々が考えている以上に、中吊りが日本の文化として根付いていたことを感じさせられました。休止の最大の理由は、締切が雑誌より中吊りの方が1日早いことでした。そのため、締切の日に掴んだ事実は、中吊りに反映できませんでした。今になって思うのは「よく1日早いスケジュールでやっていたなあ」。人間、締切を設定されると「そういうもんだ」と思ってやれてしまうんですね。
第5位 小誌報道で東京五輪「開会式」責任者が辞任
3月にスクープした <「渡辺直美をブタに」五輪「開会式」責任者“女性蔑視”を告発する>。水曜日の16時にスクープ速報を出し、電子版にアップしたところ、その日の夜に、責任者の佐々木宏氏の辞任が発表されました。佐々木氏と五輪を仕切る電通幹部たちが、演出責任者だったMIKIKO氏を排除していった開会式。辞任はさらなる混乱の序章だったことを当時は知る由もありませんでした。
第4位 “幻の東京五輪開会式プラン”でサーバーが落ちた
8月の東京オリンピック開会式。その直前、小誌は開会式の11冊の台本を入手し、MIKIKO案がどのように解体されていったかを報じました。そして、開会式が終わった直後、電子版オリジナル記事である<幻の“MIKIKOチーム版”五輪開会式を完全再現!>を限定無料公開。そうするとツイッターでトレンド入り、無料公開を終了した後もアクセスが殺到し、サーバーがダウンする事態に。今だから明かせる話ですが、開会式だけでなく、「週刊文春」でも事件は起きていました。
第3位 新戦力6人が加入、エース記者の旅立ち
特派記者の募集を行い、3月から5月までの間に6人が編集部に加わりました。ライバル誌のエース、大手メディア出身者、そして未経験者も。あっという間にスクープをモノにし、「週刊文春」に新風を吹き込んでくれています。一方、甘利明大臣への金銭授受問題などの特報、清原和博への直撃でICレコーダーを折られるなど、エース記者として活躍してくれた甚野博則記者が年末合併号をもって独立し、フリージャーナリストとして活動することになりました。夏の合併号では選手村バイト潜入ルポ、今回の合併号では、知られざるビッグボス新庄の顔に迫っています。
第2位 菅首相長男違法接待で総務省幹部が次々辞任
2月に報じた菅義偉首相(当時)の長男による総務省幹部の接待問題は、国会で連日取り上げられ、次期事務次官が確実視された谷脇康彦氏が更迭されるなど、総務省行政への信頼を揺るがす事態に発展しました。この問題は、NTTによる接待にも波及し、山田真貴子内閣広報官が辞任。「自助・共助・公助」を唱えてきた菅氏の「自助」とは何かを浮き彫りにする形になりました。
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source : 週刊文春