15年ぶりに球界復帰し、早くもオフの話題を独占する新庄。その言動は非常識で、一見破天荒に映るトリックスター。だがその実、妙に生真面目で、義理堅い面を持つ。“ビッグボス”の軌跡を辿って見えてきたのは……。
(じんのひろのり 週刊文春記者。1973年生まれ。2006年から「週刊文春」記者。2017年に甘利明大臣への贈賄業者の実名告発で、2019年に片山さつき大臣の国税口利き報道で、2度「編集者が選ぶ雑誌ジャーナリズム賞」スクープ賞を受賞した。今号で「週刊文春」を卒業し、フリーランスに。)
「ご縁があって、監督として日ハムにお世話になることになりました」
新庄剛志(49)が、日ハムの元球団役員・三澤今朝治(けさはる)に電話をかけてきてこう告げたのは、監督就任が発表される約1週間前、10月下旬のことだった。三澤は2003年オフ、当時ニューヨーク・メッツに在籍していた新庄に日ハムの統轄本部長として接触し、獲得への道を拓いた“恩人”だ。三澤に聞くと、
「コーチだったらあり得ると思っていたけど、監督になると聞いて驚いたよね」
と率直な思いを口にする一方で、新庄のこんな義理堅い素顔を明かした。
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source : 週刊文春 2021年12月30日・2022年1月6日号