中国の権力者と女性たちを巡る情報戦が起きている。
昨年末、香港紙『明報』がスクープを放った。人気女優・佟麗婭(トンリーヤー)と党中央宣伝部副部長の慎海雄の結婚だ。情報源は「北京の情報通」。『明報』は『リンゴ日報』なきあとも、非親中派新聞として生き残っており、中国の内部情報に定評がある。
38歳の佟麗婭は新疆ウイグル自治区出身で、映画・ドラマで活躍し、昨年5月、映画監督の前夫との離婚を公表。12月頃から前夫が彼女を愛人として慎海雄に差し出し、略奪婚に至ったとの話がネットで広がり、佟麗婭が偽情報だとして警察に通報していた。だが『明報』は、通報はあくまでも愛人説に対してであり、慎海雄との結婚は間違いない、と報じたのだ。
慎海雄は中国中央テレビのトップを兼務しており、一昨年の旧正月には、同局の国民的年越し番組の司会に佟麗婭を抜擢していた。
さらに習近平の側近グループ「習家軍」の一人で、今秋の党大会で中央政治局委員入りも噂されている人物でもある。いま、前例のない3選を確定させる党大会に向け、メディアでは習近平を賞賛する文章が花盛りだが、中でも昨年12月8日に慎海雄が『学習時報』に書いた一文は、話題の的となったばかり。
「習近平総書記こそ、人民が愛する党の核心、軍隊の統帥、人民の領袖、新時代の中国の特色ある社会主義の偉大なる舵取りである」
と、党関係者の間でも嘲笑されるほど持ち上げたのだ。それだけに習近平の顔が思い浮かばないはずはない。『明報』報道後には江沢民派を実質的に率いる曾慶紅元国家副主席が仕掛けた、習近平への“報復”だとの観測も瞬く間に広がった。
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source : 週刊文春 2022年1月13日号