山本 昌(野球解説者)「声がかかれば喜んでお手伝いする。ピッチングコーチでも何でも恩返しすることが大事だと思っている」|鷲田康

野球の言葉学 第603回

鷲田 康
エンタメ スポーツ

 2022年の野球殿堂入りが発表され、競技者表彰のプレーヤー表彰で昨年、日本一となったヤクルト・高津臣吾監督(53)と史上最年長勝利を含む通算219勝を挙げた元中日・山本昌さん(56)が選ばれた。

 現役引退5年で有資格となるプレーヤー表彰は、ハードルが高く過去2年間は選出がなかった。高津監督は16年に資格を取得。2年も最多得票を続けて、ようやく昨年の日本一が追い風となっての選出だった。

就任2年目で日本一を掴み取った高津監督

 そう考えると山本さんの資格取得2年目での選出は、改めて実績の大きさを示すものだ。最年長勝利だけでなく41歳でのノーヒットノーラン、200勝達成、50歳での登板と「中年の星」と呼ばれたレジェンドにふさわしいスピード表彰だったと言えるだろう。

 山本さんはプロ5年目の1988年にロサンゼルス・ドジャース傘下の1Aベロビーチに野球留学。会見ではその際にお世話になったアイク生原さんと、当時の星野仙一監督の名前を挙げて感謝を語っている。

 生原さんには生前、山本さんの野球留学の話を聞いたことがある。

「マサは本当に不器用。だから私はいつも二つのことを口酸っぱく言い続けていたよ」

 こう語って生原さんが挙げたのが、投手の仕事とはストライクを投げることだということと、フィニッシュでしっかり手首を立てなさいということだった。

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source : 週刊文春 2022年1月27日号

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