「会社から提案されている内容では、年収が1、2割減る計算です。これでは生活やローンの返済計画も狂ってしまう」(NTTドコモのベテラン社員A氏)

 親会社のNTTが突き付けた提案により、ドコモ社員は大混乱に――。

 NTTドコモは2020年12月に、持ち株会社NTTに完全子会社化され、上場廃止となった。

 経済部デスクが語る。

「ドコモはここ数年、契約数で他社の後塵を拝してきた。そうした中で、持株会社の澤田純社長の『ワンNTT』という掛け声の下、今年1月、グループのNTTコミュニケーションズ、NTTコムウェアと経営統合。澤田社長は統合のシナジー効果を23年度に“1000億円”と見込んでいます」

 こうした状況下で浮上したのがドコモ社員の“賃下げ”だ。昨年12月に会社からNTT労組に説明があったという。小誌はこの1月にNTT労組からドコモ組合員に配られた、会社側の提案の詳細が記された資料を入手。「人事・人材育成・処遇等の見直し(3次提案)」と題された文書について、40代後半の営業職であるA氏が解説する。

「私は主査ですが、現行の給与体系では、まずベースとなる『資格賃金』が月21万7000円。これまでの在職期間の評価に基づいた『加給』が約9万円。さらに各種手当が1万7000円ほどつきます」

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source : 週刊文春 2022年2月17日号