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ロシアが承認する「国家」とは|池上彰

池上彰のそこからですか!? 第515回

池上 彰
ニュース 社会 国際

 遂にロシア軍がウクライナに侵攻しました。大勢の犠牲者が出ています。まさか21世紀の現代のヨーロッパで、第2次世界大戦以来の侵略戦争が起きるとは。

 今回のプーチン大統領の戦争の論理は、以下のようなものです。

 ウクライナ東部のロシア系住民が、二つの「国家」を樹立した。「ドネツク人民共和国」と「ルガンスク人民共和国」です。この二つの「国家」とロシアは、国連憲章が認める「集団的自衛権」の行使として実質的な「安全保障条約」を結んだ。彼らが「ウクライナ軍の攻撃を受けているので助けてほしい」と言ってきたので、「平和維持部隊」としてロシア軍を送る。しかし、ウクライナ軍の攻撃を受けてはいけないので、ウクライナの「非軍事化」つまりウクライナ軍を壊滅させることにした。

イラストレーション 3rdeye

 二つの自称「国家」は、ウクライナ東部のドネツク州とルガンスク州のうち、いずれも面積にして3分の1ほどしか実効支配していません。ところが二つの「国家」は、それぞれ州全体を「国家」の領域と「憲法」で定めている。そこでロシア軍は、二つの「国家」が「憲法」で定めた国土を支配できるように支援する。

 こんな理屈で戦争を始めたのです。すでにウクライナ軍とロシア軍の双方に犠牲が出ています。ウクライナ軍の兵士は「祖国を守る正義の戦い」に従事していますが、殺されたロシア軍兵士は侵略者として死んでいくのです。惨めな話です。

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source : 週刊文春 2022年3月10日号

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