「俺はどうせ辞めることになる。退職金も減るし、天下り先も無い……」
と、周囲に漏らしていたのは藤井敏彦前内閣審議官(57)。3月9日、クビにこそならなかったが、停職12カ月と重い処分が下され、自ら辞表を提出した。

小誌が報じた“闇営業”と朝日新聞女性記者との“お泊り”で、2月8日に経済安保法制準備室室長を更迭された藤井氏。約1カ月後、調査報告書が公表されたが、内閣官房幹部は、「詳細で驚いた」と語る。
「NSS(国家安全保障局)幹部は『とことん調査する』と週末返上で対応していた。外務省や防衛省など複数の官庁からの出向者が多く、馴れ合うことなく、綿密な調査ができたのだろう」
では内容を見てみよう。小誌は藤井氏が、経済学者の中谷巌氏が主宰するビジネススクール・不識塾で2013年から講師役の「師範」として働き、収入を得ていたと報じた。報告書によると、確かに収入を得ており、報酬は9年間で約1600万円だったという。

さらに61件の講演や執筆を無申告で行い、総額980万円の報酬を得ている。講演・執筆料は平均16万円。また、ある語学学校が経産省所管の補助金の申請をする際に“口利き”をし、30万円を受け取った。稼いだ報酬は合計約2610万円にものぼる。
気になるのが、藤井氏が得た収入を、しっかりと確定申告をしているかどうかだが、NSSに聞くと、
「不識塾からの収入について確認できた限りでは、毎年、確定申告していました」
記者との関係はどうか。藤井氏は2月、朝日記者Aさんの家に泊まった。Aさんは過去に経済安保の記事を執筆しており、情報漏洩の可能性もあったが――。
「報告書は〈情報漏洩は確認できなかった〉としつつも、〈情報の漏洩を疑わしめ、ひいては、国家安全保障局の情報保全能力に対する疑念を生じせしめた〉と断じている」(前出・幹部)
有料会員になると、この記事の続きをお読みいただけます。
すべての記事が読み放題
月額プランは初月100円
既に有料会員の方はログインして続きを読む
有料会員になると…
世の中を揺るがすスクープが雑誌発売日の1日前に読める!
- スクープ記事をいち早く読める
- 電子版オリジナル記事が読める
- 音声・動画番組が視聴できる
- 会員限定ニュースレターが読める
source : 週刊文春 2022年3月24日号