労使交渉のもつれから開幕が4月7日(日本時間8日)にずれ込んだ大リーグ。ヒューストン・アストロズとの開幕戦に「一番・投手」で出場予定のロサンゼルス・エンゼルスの大谷翔平投手(27)は、投打の最終調整に入っている。

昨季は投手で9勝、打者で46本塁打を記録

「大リーグでは今年からナ・リーグでも指名打者(DH)制度を採用することになりましたが、DHを解除して投手を打順に入れた際に、その投手が降板後はDHを復活させることを認めるようにルールを改正。開幕戦で先発する大谷は、降板後も指名打者として打席に立つことが可能になりました」(スポーツ紙メジャー担当デスク)

 他のスポーツでは日本人やアジア系の選手が台頭すると、明らかにそれを抑制するようなルール改正が行われるケースが見られるが、メジャーは逆で、これはまさに“大谷ルール”。それだけ大谷の存在が、大リーグにインパクトを与えている証左でもある。

 そういう意味でも全米が注目する大谷の開幕戦だが、本人はキャンプインの遅れも影響なく順調に調整を進めているようだ。

 ロックアウトで球団施設での練習ができなかったが、1月中には渡米し、メジャーリーガーが多く集まる「ドライブライン・ベースボール」というアリゾナの施設で、実戦形式の練習を行ってきていた。キャンプイン後も、打者としては3月26日(同27日)のシカゴ・ホワイトソックスとのオープン戦で“今季一号”となる先頭打者アーチを記録。その試合では投手としても2度目のマウンドが予定されていたが、疲労を考慮して自ら申し出て登板を回避。中9日で31日(同4月1日)のミルウォーキー・ブルワーズ戦に投げて、そこから開幕戦に臨むスケジュールで最終調整に入っている。

「やりやすいようにやらせてもらっている。体調を見ながら自分でしっかり調整したい」

 開幕に向けた大谷の言葉学だ。

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source : 週刊文春 2022年4月7日号