週刊文春 電子版

春のごはん|林真理子

夜ふけのなわとび 第1741回

林 真理子
ライフ ライフスタイル

 桜が満開となった。

 私の住む町でも、ところどころ美しい桜が見られる。私たちは気楽に立ち止まり、キレイねーとか言って、スマホで写真を撮ればいいのであるが、“桜守”というのは大変なことらしい。

 まず桜は毛虫が発生する。これを取り除くのはかなりの労力なのだ。この家に引っ越してくる時、狭ーい中庭に木を1本だけ植えようということになった。

 私は桜を主張したのであるが、設計してくださった方から、桜の木がいかに大変かということをこんこんと聞かされた。

「なるべく手間のかからないものを」

 ということで、ヤマモモにしたのであるが、なかなか花が咲かない無愛想な木である。

 毛虫もやっかいだが、桜は花びらが落ちてくるのが問題となる。うちの近くに桜の大木があるが、風が吹くと四方に散っていく。そこのおうちでは、毎年花びらを掃くために何人も雇い、そのパート代がバカにならないと聞いた。近所の者たちは大木満開を楽しみにしているが、それはおうちの方の深いボランティア精神によるものなのである。

 ここでお礼を申し上げます。

“桜守”がずーっとお金持でいてくださいますように。

 先日は知り合いから長命寺の桜餅をいただいた。桜餅もそうであるが、草餅や苺のタルト、苺大福、ひなあられとか、春のおかしはなんと可愛いのであろうか。

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source : 週刊文春 2022年4月14日号

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