CA時代、私の耳元にあったのは、ミキモトの1粒パール。フライトデビューして間もなく銀座本店にドキドキしながら買いに行き、着けた瞬間仕事モードに入る事ができたピアスでした。ただ、それと同時にその頃からずっと大好きで愛用しているのが、コスチュームジュエリーやプチプラアクセサリーです。スーツケースに入れる私服はシンプルで色々なシチュエーションで着られる機能的なものが多かったので、それに変化をつけてくれるアイテムとして、またオンオフの切り替えアイテムとして必ずジュエリーケースに入れて持ち歩いていました。
ココ・シャネルが「何カラットの宝石を身につけるかが問題なのではなく、大切なのは洋服にいかにマッチしたジュエリーをつけるかということ」と言ったあたりから装飾品の意味合いは変わり、価格に関わらず、自己表現やトータルコーディネートを完成させるアイテムとなりました。顔周りにそれがあるだけで「ちょっとそこまで(誰にも見つかりませんように)服」が「さりげなくオシャレしてますが何か?服」にコロッと変わるのは、実はとても楽で有難いんですよね。
またアクセサリーやジュエリーは、簡単におしゃれ上級者だと思わせることができるアイテムでもあります。何故かって、選択肢が広がった事で選ぶのが難しいと感じている人が多く、自分らしいものが選べていれば単純に「素敵! 羨ましい!」と思われる可能性が高いから。また、毎年の装いのトレンドに合わせて同じ服を今年らしく変える事もできるので、見る目を養ってシチュエーションに合わせて使い分けられたら、きっと、毎日が単調な装いではなくなりますね。
ところで、大人の女性のプチプラアイテムの必須条件は何だと思いますか? それは「高見え」と「本物の類似品に見えないこと」。たとえばイミテーションのパールを着けるなら、「このデザインをあえて選んだ」と見えるアイテムにし、よく見るようなシンプルな形は避けましょう。
そして、選ぶ際には是非以下の2点をチェックしてみてください。
その(1)、金具。値段感が出やすい部分です。繋ぎ目等の金属が比較的少ないコスチュームジュエリーが高見えしやすいのもその理由からです。もし金具やチェーン部分のみが安っぽく感じる場合は、アクセサリーのパーツショップなどで変えてしまっても良いですね。
その(2)は、素材や柄。ガラスや透明アクリルのようなものはつけた人の肌にすっと馴染むのでGOOD。マーブル模様やべっこう柄など、それ自体のデザイン性やユニーク度が高いものは素材の質がわかりにくく、選びやすいです。逆にスウェードやレザー、ビーズ等は素材で大きく見え方が変わるので、セレクトの際、慎重さが必要です。
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source : 週刊文春 2022年4月14日号