「NTT社長の任期は通例、2期4年。現首脳陣は今年で満了を迎えるため、6月の株主総会での役員人事が注目されています」(経済部デスク)
現在、社員数約32万人のNTTグループを率いるのは澤田純氏(66)。2018年6月に持株会社の社長に就任して以降は、菅義偉前首相と携帯料金値下げ政策などを通じ、太いパイプを築いてきた。
「社長就任前から、菅前首相は『澤田はいいよ』などと持ち上げていました。ところが前任の鵜浦博夫・現相談役が通例より長く6年間社長に居座ったため、澤田氏は人事の停滞にイライラしていました」(同前)
ようやく社長の座を射止めた澤田氏は、20年12月に約4兆3000億円を投じてNTTドコモの完全子会社化を実施。今年1月にはドコモとNTTコミュニケーションズ(コム)、NTTコムウェアを統合した。
澤田社長が“ワンNTT”を掲げて大鉈を振るう一大事業。小誌はその過程で起きているドコモ中堅社員の大幅賃下げなどを報じてきたが、実は別のところでも軋轢が生じている。
コム中堅社員が語る。
「来年1月をめどに、コムはドコモから6000名を超える従業員を受け入れます。組織上は『ドコモの法人事業をコムに集約し強化する』という建て付けですが、実際はドコモがコムを吸収する形です。コムが使用してきたロゴも、ドコモの法人事業が用いる『ドコモビジネス』のロゴに統一されたため、『ブランドも乗っ取られた』とコム社員の士気は下がっています」
初回登録は初月300円で
この続きが読めます。
有料会員になると、
全ての記事が読み放題
既に有料会員の方はログインして続きを読む
※オンライン書店「Fujisan.co.jp」限定で「電子版+雑誌プラン」がございます。ご希望の方はこちらからお申し込みください。
source : 週刊文春 2022年4月14日号