「党」と聞くとまず思い浮かぶのはやはり政治。経済、防衛、コロナ対策……日本に住むからには国政に関心を持ちたいものだ。と書いてみたが、今回のテーマは将棋の「党」である。
「師匠の杉本八段は振り飛車党だが弟子の藤井聡太竜王は居飛車党」
こんな記事をちょくちょく見る。党と言ってもどこかに所属している訳ではなく、それぞれの将棋のスタイルや特性のことである。
将棋の戦法は大きく分けて、「居飛車」と「振り飛車」がある。簡単にいうと、前者は序盤で飛車を2筋(後手は8筋)から動かさない。後者は中央から左に振る。
この二つは形もそうだが、考え方や勝つためのアプローチもかなり違う。攻めと守り、読みと感性、直線と曲線……。居飛車か振り飛車どちらを多用するかで「〇〇党」と分けるのだ。
棋士は、およそ7対3で居飛車党が多い。
「将棋は突き詰めれば居飛車有利」
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source : 週刊文春 2022年4月28日号