山梨県甲府市にある大手寿司チェーン「無添くら寿司」で店長を務めていた中村良介さん(仮名・享年39)が店の駐車場に停めた車に火を放って自ら命を絶ったのは4月1日のこと。中村さんが亡くなる直前までTwitterを更新し、仕事の苦しみを綴っていたことが「週刊文春」の取材でわかった。

コロナ禍でも業績は絶好調

 くら寿司は東証プライムに上場する寿司チェーンの最大手企業。「創業者の田中邦彦氏が社長を務める典型的な同族経営企業」(経済誌記者)で、2021年10月期(連結)の売上高は1476億円とコロナ禍でも業績は絶好調だ。

 そんな中で起こった衝撃的な事件。小誌は4月21日発売号で中村さんが自殺した背景に上司のスーパーバイザー(SV)・X氏のパワハラがあったことを報じた。だが、くら寿司本社は取材に対し、中村さんの死の理由について〈個人的な事情によるものであることが推定されております〉と回答。業務との関連を否定していた。

 これに異議を唱えるのが、中村さんの実姉である。小誌の取材に応じた姉は、「弟は仕事に苦しんでいた」と明かす。

「弟の部屋に遺されていたパソコンを持ち帰ったのです。開くと、ツイッターに自動ログインできた。非公開の鍵アカウントに、弟が仕事に苦しんでいる様子が綴られていたのです」

 ツイートを確認すると、そこには仕事への苦悩や絶望など中村さんの“心の叫び”が赤裸々に綴られていた。投稿は、亡くなる当日まで続いていた。

〈明日を生きる気力がない〉〈皆さんさようなら〉

〈死ぬことばかり考えて仕事してる〉(3月30日)

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source : 週刊文春 2022年5月5・12日号