人生の3分の2はいやらしいことを考えてきた。
“夫婦漫才”というものが子供の頃、ちょっと怖かった。
「いやぁー、ぎょうさんお客さん来たはるやん、ありがとうございます」
「ま、全員、私目当てやろけどね」
などと、最初はたわいも無い話で笑いを取るが、その内、
「アンタ、この間、めっちゃ腹立ったんやけど。謝って」
と、家庭内での揉め事を客前で報告し始める。
よくよく考えると当時の漫才は台本を書く作家がいて、二人は演じてただけなのだが、特に離婚してもまだ続けてるコンビの場合、それはとても生々しく聞えた。
「こいつね、他所で女、作りよりましたんや」
「おいおい、そんな話、ここでせんでもええやろ!」
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source : 週刊文春 2022年5月19日号