人生の3分の2はいやらしいことを考えてきた。
確か、10年くらい前だと記憶するが、映画雑誌の対談でうちの仕事場に斎藤工さんが来られたことがあった。
ドアを開けると編集者、カメラマンと共に180cm以上はあるだろうスラッとした長身の甘いマスクが立っていた。
ソファに座りお互い好きな映画の話を始めたが、その中で斎藤さんが出した東宝特撮映画『フランケンシュタインの怪獣 サンダ対ガイラ』が意外だった。
当然、僕も大好きな1本だったが、それは怪獣ものの中でも取り分け、非モテ系とされていたから。
“山からサンダ! 海からガイラ!”
公開当時、広告やポスターにはそんなコピーが書かれていた。それまでのゴジラやモスラといった人気怪獣と全く違い、のっけからマイナー臭がプンプン漂っていたからだ。
でも“そこがいいんじゃない!”
僕は、斎藤さんの映画に対する懐の深さを垣間見た気がした。対談終了後、カメラマンから「二人並んで立って下さい」と指示を受けた。
僕がルパン三世よろしく“そりゃないぜぇ〜”と、思ったのはその身長差ゆえである。
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source : 週刊文春 2022年6月2日号