こけらおとしとは、新築の劇場などにおける最初の興行のこと。
新しい会場で初の仕事を任された人、それに関われた人はさぞ幸運だろう。初舞台の役者や、球場第一号のホームランを放った野球選手もきっとそう。自分の足跡が、会場(球場)の記録として永遠に残る。職業人としても冥利に尽きるはずだ。
将棋でも注目のこけら落とし対局が予定されている。それは6月22日、新しく開設された名古屋将棋対局場でのA級順位戦一回戦。藤井聡太竜王対佐藤康光九段戦だ。
19歳の新A級対将棋連盟会長のカードは運命的ですらある。対局者であり、連盟運営の最高責任者でもある……この日の佐藤会長は心の底から体が二つ欲しいのではないかとお察しするが、そんな人間心理を読み解くのも楽しみの一つだ。
実はこの日にはもう一局ある。杉本昌隆八段(つまり私)対佐々木慎七段とのB級2組順位戦も同じフロアで行うのだ。
主役はもちろんA級だが、こちらも決して前座ではない。記念すべき日の対局では名古屋出身の棋士として地元に感謝しながら指すつもりである。
なお、本誌が店頭に並ぶころにはちょうどその対局は終わっている。開幕式やセレモニーは? 対局結果は? ぜひ新聞やネット等でチェックしていただければ幸いである。
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source : 週刊文春 2022年6月30日号