朝日にあるはずのものがない

新聞不信

「週刊文春」編集部
政治

 参院選公示から一夜明けた23日早朝、各紙の「号砲紙面」を熟読、久方ぶりに感服した。堪らなく面白い。

 選挙戦が面白く思えるようになったからではない。相変わらずつまらない選挙の現実と、世論を焚き付けようにも古色蒼然とした切り口以外に手のない新聞の現実とがよくあらわれていたからだ。

 選挙の見どころである「勝敗ライン」も、こぞって「自民単独過半数」から「改選過半数」「自公で過半数」まで与党の「勝利」の程度にとどまる。朝日は見出しで「安定基盤か 緊張か」としたが、野党がどれだけ頑張っても「緊張」をもたらす以外の切り口が見出せないということか。

 しかも朝日は産経ともども翌日朝刊で与党が「改選過半数の勢い」との情勢予想を載せた。これでは、選挙が面白くなるわけがない。

 話を号砲紙面に戻すと、一面も芸がない。「参院選公示 545人立候補 27年ぶり多さ 女性、初の3割」「来月10日投開票」「物価高・安保で論戦」(日経)など。ただし、最後にある争点の順位付けだけは多少の興が湧く。

「安保・物価高 問う」と安全保障を上に持ってきたのは、産経だけ。「物価高・円安・安保 問う」の朝日を含めて、いわば物価高優先派が「5分の4」と、堂々たる「与党ぶり」だ。

 もちろん日本経済の痛みは深刻だし、産経らしい判断とも思うが、ウクライナ危機は深刻さを増すばかりだ。内向き志向が気になるし、「岸田インフレ」叩きにすがる野党を喜ばせるだけとも思う。

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source : 週刊文春 2022年7月7日号

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