「西村康稔前経済再生相は東大、通産省出身のエリートで政策理解力も高い。59歳にして当選7回で、すでに総裁選にも09年に出ており、安倍晋三氏の側近として総裁特別補佐や内閣官房副長官も務めた。本来なら安倍派後継者の大本命のはずなんですが……」(清和会関係者)

 西村氏といえば岸信介氏、安倍晋太郎氏の側近として知られた吹田愰元自治相の娘婿。「親子二代で安倍家に仕える」「妻の信子は岸信介氏から信の字を頂いた」が売り文句だ。安倍晋三氏の銃撃直後には、安倍派事務総長として搬送先の病院に駆け付けた。その後も、安倍氏宅で遺族を守るかのように自らが前面に出て弔問客の相手をするなど存在感を発揮した。

自民党の野党時代には総裁選にも出馬

 ところが派内では「西村派にでもなれば、93人の大派閥が空中分解する」(同前)との声が漏れ、後継候補として萩生田光一経産相や世耕弘成参院幹事長の名前を挙げる者もいて混沌としている。一体なぜか。

「我こそが後継者だと印象づけようとする動きが、やり過ぎなんです。亡くなった直後に安倍氏との写真を10枚もブログにアップする様子に周囲は鼻白んでいました。通夜が増上寺で行われる事は内密に進められていたのに情報が洩れ、すべてを仕切っていた今井尚哉元首相秘書官は、リークしたのは西村氏だと激怒していた」(自民党関係者)

 そんな西村氏の経済再生相時代、役所から派遣された4人の秘書官が、任期中に全員交代した事実を小誌は昨年報じている。無理筋の指示やパワハラ、150日連続勤務などに音を上げたと見られたが――。

「足元の事務所でも、秘書が次々と辞めているのです。昨年10月末の衆院選直後に公設秘書と地元の私設秘書が辞め、今年に入って私設秘書3人が辞めました。そしてついに、西村氏が官房副長官や大臣として出ずっぱりの時、事務所との連絡役をペアで担ってきた政策秘書と公設第一秘書が6月末に同時に退職したのです。事務所には20人ほど秘書がいますが、昨年11月からの8カ月でなんと7人が辞めた事になります」(前出・清和会関係者)

 銃撃直前の安倍氏はこの話を聞きつけて、「また秘書が辞めたらしいよ。パワハラだよ、パワハラ」と呆れていたという。

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source : 週刊文春 2022年8月4日号